サクラ

家の前の疎水の桜が満開。はらはらと散る花びらが疎水に落ちて流れて行く、というような絵はがきで見たことがありそうなその風景を見ながら、坂口安吾の「桜の森の満開の下」 - というより篠田正浩の映画の岩下志麻 - を思い出す。ここは森、というほど広がっていないのだけれど、実際に森で地面全体に花びらが散りばめられ、風が吹き大気にも桜が満ちたとしたらグルグルです。ここでそういう鬼に会うのも悪くない。この下に死体が埋まっているのも悪くない。
余談ですが、桜の森の満開の下、という題名はよく間違える。満開の桜の森の下、とか、桜の木の満開の下、とか。